青少年健全育成条例
各地方自治体が青少年のための健全な環境を保つために制定した条例。
多岐にわたりさまざまな施策が定められているが、ここではアダルト関連項目についてピックアップした。
内容の細部には地方自治体によって異なる部分があるため、わかりやすい埼玉県条例を参照した。
条例の目的
青少年の健全な育成に関する基本理念及び県等の責務を明らかにし、県が行う施策を定めるとともに、 青少年の健全な成長を阻害するおそれのある行為を防止し、もつて青少年の健全な育成を図ることを目的とする。(第1条)
有害図書の売買等の禁止
青少年に対し、有害図書等を売買し、交換し、贈与し、若しくは貸し付け、又は読ませ、聴かせ、若しくは見せてはならない。(第11条第3項) これに違反した者は30万円以下の罰金に処する。(第29条)
有害な図書とは
内容が次のいずれかに該当するもの。
1.性的感情を著しく刺激する
2.粗暴性又は残虐性を甚だしく助長する
3.犯罪又は自殺を著しく誘発する
次のものは上記により指定された図書と見なす。
1.図書又は雑誌で、全裸、半裸若しくはこれらに近い状態での卑猥な姿態又は性的な行為を被写体とした写真又は描写した絵を掲載するページ合計が20以上であるもの又は当該図書若しくは雑誌のページの総数の5分の1以上であるもの
2.録画された磁気テープ又は光ディスクで、卑猥な姿態等を描写した場面の時間の合計が3分以上であるもの又は当該場面の数が20以上であるもの
となっており、「陰部を覆い、ぼかし、又は塗りつぶしているものを含む」とされる。
(第11条第1項、第2項)
卑猥な姿態とは
全裸、半裸又はこれらに近い状態での卑わいな姿態とは、
1.大たい部を開いた姿態
2.陰部又はでん部を誇示した姿態
3.性行為を連想させる姿態
4.排せつの姿態
5.緊縛された姿態
(以上、別表第1)
性的な行為とは
性的な行為とは、
1.男女間の性行為
2.同性間の性行為
3.自慰の行為
4.強姦その他の陵辱行為
5.変態性欲に基づく行為
(以上、別表第1)
有害がん具等の売買等の禁止
青少年に対し、有害がん具等を売買し、交換し、贈与し、若しくは貸し付け、又は所持させてはならない。
また、右コラムの別表第2のような有害がん具等を青少年に見せ、又は触れさせてはならない。
(第12条第3項、第4項)
これに違反した者は30万円以下の罰金に処する。(第29条)
有害がん具とは
内容が次のいずれかに該当するもの。
1.青少年の性的感情を著しく刺激し、その健全な成長を阻害するおそれのあるもの。
2.青少年又はその他の者の生命又は身体に対して危険を伴い、又は害を及ぼし、青少年の健全な成長を阻害するおそれのあるもの。
専ら性的な行為の用に供する器具類であつて、下に掲げるものは、上記により指定されたがん具等とみなす。(以上、第12条第1項、第2項)
1.性器の形状又はこれに著しく類似する形状をしている器具類
2.性器を包み込み、又は性器に挿入する構造を有する器具類
(別表第2)
使用済み下着等の売買の禁止
1.青少年から着用済み下着等(着用した下着又は唾液もしくはふん尿(これらに該当すると称したものを含む)をいう)を買い受け、又は売却の委託を受けてはならない。
2.青少年に対し、着用済み下着等を販売してはならない。
(第18条第2項)
これに違反した者は30万円以下の罰金に処する。(第29条)
勧誘行為の禁止
青少年に対し、次の行為を行つてはならない。
1.着用済み下着等を売却するように勧誘すること。
2.性風俗関連特殊営業において客に接する業務に従事するように勧誘すること。
3.接待飲食等営業の客となるように勧誘すること。
(第18条第3項)
これに違反した者は30万円以下の罰金に処する。(第29条)
みだらな性行為等の禁止
いわゆる淫行条例。
1.青少年に対し、みだらな性行為又はわいせつな行為をしてはならない。(第19条第1項)
これに違反した者は、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。(第28条)
2.青少年に対し、前項の行為を教え、又は見せてはならない。(第19条第2項)
これに違反した者は30万円以下の罰金に処する。(第29条)